マジックをしていれば、誰もが一度は経験する状況。
それは、

○○がなければ勝てる。

その時、あなたはどんなプレイを選択しますか?

相手が《神の怒り/Wrath of God(8E)》を持っていないことを信じて、手札のクリーチャーをキャストする。
《燻し/Smother(ON)》を撃たれない前提で、手札を全て捨てて《野生の雑種犬/Wild Mongrel(OD)》をパンプする。
これらは極端な例ですが、似たような状況はよく起こります。
「引かれる前にライフを0にする」という戦略を否定するつもりはありませんが、上記のようなプレイを頻繁にする方は、このコラムにしばしお付き合いくだされば幸いです。

さて、上記のようなプレイし、もし相手が対処できるカードを持っていた場合はどうなったでしょうか?

大体の場合、その試合は負けてしまったのではないでしょうか?
理由は明白ですね。
このようなプレイングをした場合、持ちうるリソースをほとんど注ぎ込んでしまうため、凌がれてしまった場合、ハンドアドバンテージを失い過ぎてしまうからです。
プレイヤーに火力を撃ちこむなどがいい例ですね。
負けた試合で、プレイヤーに撃ちこんだ火力というのは、場に何の影響も及ぼさなかったわけですから、それはハンドアドバンテージを放棄するプレイングなのは明白です。

つまり「○○がなければ勝てる」状況というのは、裏を返せば、プレイング如何によっては「○○があったら負ける」状況でもあるのです。
にもかかわらず、そのようなプレイを選択するということは「最も運に比重を置いたマジック」を選んだということになるのではないでしょうか?

また、マジックにおいては「ブラフ」も非常に重要なプレイングです。
これは、上記の内容と、ちょうど鏡の関係のような話でもあります。

例えば《火花鍛冶/Sparksmith(ON)》を起動する時に、相手に赤マナが立っている状態では、1点多い点数でないと起動しにくいです。
もし、《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt(MR)》があれば、《火花鍛冶/Sparksmith(ON)》によってムダにライフを減らした上に、《火花鍛冶/Sparksmith(ON)》をタップしてしまったわけですから、非常に不利な状況になってしまいます。
ならば、《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt(MR)》を持っていなくても、赤マナを立たせておき、相手のライフを余分に削るプレイングをすれば、そうしなかった場合に比べ、その後の展開において確実に有利なはずです。
また、相手に余剰のゴブリンがいなくて起動を見送った場合、あなたは貴重な1ターンを得た事になります。
その場合、手札になかった《静電気の稲妻/Electrostatic Bolt(MR)》をドロー出来る可能性も出てくるわけです。

マジックには運の要素が付いて回るため、トップデックにより、勝敗が決まることがあるため、プレイミスをしなかった場合でも、試合に負ける場合はあります。
しかし、プレイングによって、トップデックを「引き込む」ことは出来ます。
ブラフによって、相手の動きに制限をかけて、貴重な1ターン、つまりは1ドローをする機会を得る。
そのようにして、最も多くカードを引けるプレイングをすれば、トップデックを引き込む可能性は上がるはずです。
一方、前半で書いたようなプレイングは、そのプレイによって、相手の凡庸なドローをトップデックに変えてしまったのではないでしょうか?

最善のプレイを追及したとき、あなたのドローはトップデックに変わるはずです。

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Sin

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